近所の家々の窓に怪しげな飾り付け、庭の木々には分厚い蜘蛛の巣(のように見せる綿)、となると私もかわいいkidsにお菓子をねだられてみたくなった。隣室のAmeに相談すると、まず参加の意思表明の飾り付けをする、大袋でお菓子を売っているのでそれを準備する、お菓子がなくなったときは飾りを撤去して戸口の電気を消せばよい、小さな子供たちは5時ころから回り始め、大きな子たちは遅い時間に来る、と教えてくれた。
この頃になると近所のスーパーの入り口に大きなpumpkinが積み上げられている。まずは飾りつけ。手頃なのを買って来てjack-o'-lanternを作る。前年に大学の寮のHalloween event で習っていてよかった。玄関先に置いて子供たちがちゃんと見つけてくれますようにと祈る。次にWalgreens でお菓子の大袋を2種類調達する。
当日、家の前の道路は通行止めになり、仮装コンテストが開催される。なんて気合の入った地区なんだろう。
5時。子供たちが飾りを見つけてくれるかそわそわして窓から外の様子を覗っていたら、大人に連れられた小さな子供たちがついに現れた。小さなspiderman が二人、ということはspidermen? いやspiderkids? 持っているバケツにお菓子をひとつかみ入れようとすると親があわてて1つだけにして、と言う。Halloweenの少し前から歯科医がこの季節は子供の虫歯が増えると警告をしていたことを思い出す。ひっこみ事案で後ろの方にいる子のバケツに手をのばしてお菓子を入れると、僕のバケツに他人が何かいれちゃった!という感じで泣きだしたり、親が“trick or treat” と教えても小さな紳士はそんな失礼なことが言えず、小声で私に“May I help you?”。とにかく可愛い。
誤算がひとつ。どこからこんなにと思うほどの子供たちが現れ、準備したお菓子がなくなったのでAmeに教えられたとおりpumpkinを内に入れ、戸口の電気を消した。しかし訪問は途切れない。さらに強くドアが叩かれる。やむなく近所のスーパーに走った。
のどやかな町の楽しい夜の思い出である。