UC HastingsではLL.M.だけで1クラス作ってLegal
Writing の授業があった。
このクラスは書くだけでなく、moot
courtで口頭弁論の実技みたいなことをしたり、休憩時間におやつ当番がおやつを準備したりで楽しいのだが(外国人をアメリカ文化に馴染ませるという意味合いもあるクラスだったと思う)、ここでしきりに言われたのがIRAC。
答案を書くときにはIssue,
Rule, Application, Conclusionの順で書くように、という頭文字をとったものだ。
日本の司法試験の答案でも、冒頭に問題の所在を書いていたのだが、その場合、単に問題を指摘するだけでなく、どうしてそれが問題となるのか(だって「問題」ではなく「問題の所在」だもの。)、を事実関係を摘示しながら書いていた。それでほとんど習性のように設問を見たら「問題の所在」が書きたくなる。しかしこれを英語で書こうとするとやっかいであることは書き始めるとすぐにわかった。さらに、事実関係を摘示して、だから、と書くと、読んでいる方はissueではなくapplicationを書いていると感じるようだ。
これには随分困ったが、Barbriの答案練習をしているころには、理由なんかともかく、見つけたissueを片っ端から書けばよい、と割り切ることにした。日本の答案の作成の経験からすると、いきなり、問題はこれです、と書くと、だからどうしてそれが問題となるの、と突っ込みたくなるのだが、この国ではそういうものだ、と割り切って書く。それにこれならそれほど複雑な文章を書く必要はない。
というわけで、あまりあれこれ考えるより、試験の答案は “The issue is..” と書き始めましょう。