2011年12月14日水曜日

A flyer


UC Hastingsに入学手続きをしてしばらくするとProfessor Paulから授業の登録に関するメールが届いた。手続きのほとんどすべてをインターネットでできる便利さとスピード感にアメリカに行くのだと感じた。UC HastingsではLL.M.に優先的に授業を登録させてくれる。優先登録期間後はJDも交えて登録の先着順で、授業の定員をオーバーした場合はキャンセル待ちとなる。

Professor Paulのメールには、Barを受ける人はProperty, Evidence and Constitutionの授業は受けておいた方がよい、その他はBarを気にせず取りたい課目をとるように、せっかくの機会をBarを気にし過ぎて無駄にしないように、という趣旨のことが書かれていた。知的財産権法を中心に時間割を組もうと思っていたので、Intellectual PropertyAnti Trust and Intellectual Propertyの2つは是非時間割にいれたい。せっかくのアドバイスなのでPropertyも登録した。Legal writing and Researchは必須課目となっている。名称からは何の課目なのかよくわからない。

LL.M.の授業は正規の授業の2週間前の8月の2週目に始まり、アメリカ法の概要のレクチャーを受けた。この期間に全員でAlcatraz島見学をしたり、Napa ValleyMondavi家 のお庭でlunch partyをしていただいたりした。Napa ValleyUC Hastingsの卒業生でNapaのワイン醸造家を顧問先に多く持つ弁護士のご招待だった。LL.M.のクラスで誕生日にpartyをする慣習ができたのもこの期間だった。GermanyAlena と共にHayes Valleyで一軒家を借りていたItalyLauraが自宅のお披露目を兼ねてBirthday partyを開いたのが最初の誕生日会だった。

LL.M.のために2週間毎日日替わりで教授たちが現れ、力の入った授業をしてくれる。いずれも面白い。まるで看板教授の顔見世みたいだ。ある日の授業はNegotiationだった。クラスを買い手と売り手に分け、それぞれに指示書が渡される。2人一組で交渉開始。知人宅の古書の間に高値で取引されている古いチラシがはさまれていることに気づいた人が本を買い取りたいと交渉をする、という設定。私は買い手側となった。
チラシに言及せずに買うと後でトラブルになるのではと思うが、さりとて正直に高価なチラシだと言えば値段で折り合わなくなるおそれがある。私の相手は元気な中国娘Yang Yang. 彼女に本の価格を尋ねると指示書の範囲内で問題のない価格だったのでそのまま同意し、それから、本にチラシが入っているのだが、これも本と一緒に引き取るということでよいか、と言うと、彼女はチラシなど彼女の指示書にないので、そんな合意をして後にチラシがないとクレームがつくと困ると言い出し、平行線になった。

最後に全組みの結果とそれぞれに渡されていた指示書の内容を見て、おそらく全員が驚いたと思う。Yang Yangは指示書の8倍の値を提示していた。中国ではそれが相場らしい。TurkeyOkanを相手としたKoreaの弁護士は法外な要求にふりまわされ途方にくれていた。これもTurkeyではお買い物の常識らしい。

あまりの面白さにLL.M.のかなりの数が予定していなかったNegotiation courseを取りたいと登録の変更を始めた。Listeningにもspeakingにも自信がなく、日本にいるときにはnegotiation courseを取るなど考えてもいなかったが、この授業の後、私もnegotiationの正規の授業を取りたくなった。Californiaには無謀という言葉は似合わない。すべてはadventureであり、challengeあるのみである。
というわけで、すでに定員オーバーしていたProfessor Soperのクラスに登録をした。

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