2011年11月10日木曜日

Bar Examination (multiple choice, B or C?)


Multiple choice(択一式)試験で答えがわからなかったら、あるいは時間がたりなくて全問に解答できないときどうするか?

こんなことは日本の司法試験を受験したことのある人にとっては言うまでもない。試験の目的が知識をひけらかすことではなく、合格することである以上、選択肢のいずれかを塗りつぶす、というのが正しい。これはアメリカでも同じ。BarBri の講師は塗り残すなと言っていた。
さて、それではどの解答を塗りつぶすのか。これは人によってポリシーが違うがおそらくAからDの4択ならBCと言う人が多いのではないだろうか。私は日本の択一試験では解答したシートを眺めて全体のバランスも考慮して塗り残しの答えを決めたらどうかと思ったこともあるが、どれを選んでも正解する確率はたいして変わらないのでたいして意味はないと思っていた。だからBarBriの講師が次のような説明をしたとき驚いた。

難しい問題で答えに迷ったらCにマークをすること。ある問題で多数の受験者がCを選択していた場合、Cがその問題の正解となる可能性がある。

なんだこれは? 講師によれば、仮にBOLEaある問題についてC以外の答えを正解と考えていたとしても、もし受験者の大半がCと解答をしていれば、設問を再検討し、Cを正解をするか、もともと正解としていた選択肢に加えてCも正解とする可能性がある、と言うのだ。日本では聞いたことがない。

とてもアメリカ的だと思う。とても楽観的だし、どこかいいかげんだ。もしかしたらcommon lawというのがこういうものなのかもしれない。しかしこの考え方の背景には、一人一人は力のない小さな存在で、相手が国家(州)という巨大権力であっても、人と人がuniteすることで国を動かす大きな力となる可能性がある、という信念と共通するものを感じる。

日本では、アメリカ人は個人主義で日本人は和を尊ぶ、と思われている。私もそう思っていた。しかしアメリカにいるうちに、アメリカ人はuniteすることを知っているが、日本人はuniteをしない、とも感じるようになった。Uniteは和とは違うと思う。日本人の和は、他人と摩擦をおこさないために事前に摩擦のおきそうなことを回避することだと思う。他方uniteは個人の力を結集して大きなことに立ち向かうことだと思う。Uniteするには個々の力を結集し、方向づけをするリーダーの存在が必要だ。烏合の衆ではuniteにならない。一頭のライオンに率いられた100匹の羊は一匹の羊に率いられた100頭のライオンより強い、の世界観である。
もっともアメリカ人が好き好んでuniteするのかどうかは知らない。Massachusettsの土産店にはぶつ切りになった蛇の図柄のT-shirtがあった。ぶつ切りの各部分には植民地の名が書かれている。JOIN or DIE. 独立戦争を前に、uniteせずに生存はない、を訴える図柄である。 http://www.teachamericanhistory.org/File/Join_or_Die_1.pdf

ともあれ、みんなでCにすればCが正解となる、かもしれない、との考えがすっかり気に入った私はNY Barを受験する友人を捕まえてはmultiple choiceでわからないときはCにしようと説得して回った。

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