試験前、New
York Bar の合格率ってどのくらいなんだろう、と思わないでもなかったが、見ないようにしていた。受験の意欲が薄れたりしたら困る。
BOLEの発表は次の通り。
それほど悪い数字ではないのでご覧になっても意欲は落ちないと思う。
2010年度全体で65%弱、LL.M.で35%弱。ただし簡単かというとそうでもない。New
York Barは(特に東海岸では?)全米でも最難関の一つと言われている(全米最難関はCalifornia
Bar)。この程度の合格率なら日本の司法試験よりはるかにましだ。ただし問題も答案も英語というのが難点、といったところか。
ただ、単純に合格率だけで比較できないことはある。New York Barの準備のために暗記しなければならないことの量がとても多かった。Common lawだという理由だけでなく、codeがあるものでもcode bookは試験中渡されないので、なんでもかんでも覚えてしまわないといけない。そして法律があまり論理的でない。日本の試験だと論理的に整合していれば記憶していなくてもなんとかなる、ということはあるが、アメリカのはとにかく覚えなければどうしようもないことが多い。例えば刑法の各犯罪には等級がついているが、設問に対して第何級まで答えないといけないことがある。Barbriの講師もこれを全部覚えるのは無理、と言ってい、対処方法を伝授していた。各犯罪の基本となる等級を覚え、それに設問から加減事由を探し適当に加減して答える、というものだ。あとはひたすら各犯罪の基本等級と加減事由を覚える。また、 FederalとNew Yorkで微妙に法律が異なることが少なくなく、どちらで問われているかで答えが違ってくる。違いを一覧にして覚え、設問がどちらの答えを要求しているかを念頭において答える。直前まで整理して暗記しようとしていたのにFederal とNew York の殺人罪の分類の違いに混乱して1問失ったのは今でも悔しい。
試験は年2回、7月と2月。全体の統計とは別に7月と2月の統計も公表されている。2月の方が合格率は低い。2月の方が難しいなどと言われているが、実際のところはわからない。準備の時間の不足を考慮し7月を受け控えて2月の試験から受けるというのはやめた方がよいと思う。時間はみんな不足している。Advanced class(少人数のゼミ)のIntellectual Propertyの教授にreportを提出に行って、将来の予定を聞かれたのでNew York Barを受験すると答えると、私もbar examinationを受けたが生涯最悪の数か月だった、と言われた。あんまりごちゃごちゃ考えずに、短期勝負のつもりで突入した方がよいと思う。ただし短期とはいえ2か月。Barbriは講義の始めにマラソンだと思うように、途中で息抜きを忘れないように、と言っていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿